沼のほとりから

色々な沼から。ドメイン変更しました。

ゼルダの伝説 ティアーズ オブ ザ キングダム 感想(「ゼルダの」伝説)

はじめに

ゼルダの伝説 ティアーズ オブ ザ キングダム」をクリアしました。
クリア後は思わず「いいゲームだなぁ…」とため息が出ました。
心が洗われるような作品でした。
ネタバレを含みますのでご注意ください。

オープニング

ゼルダと共に地底の調査。前作ではゼルダと歩くことはなかったので新鮮でした。
二人並ぶとゼルダの方が身長高いんですね。
天変地異が発生し、リンクははじまりの空島で目覚めます。
ダイビングから本格的に冒険がスタートし、わくわくしました。

プレイスタイル

今回は「最低限の体力でクリアを目指す」ことにしました。
私はゲームがあまり上手くなく、体力に頼ったプレイをしがちなため、そこを封じることで創意工夫を促そうという魂胆です。
祠もクリアの必要がなくなるので時短も実現できました(多分)。
緊張感を強いられながら、料理や道具、能力、時には地形も活用して強敵に打ち勝った時の達成感は味わい深いものでした。
あらゆるものを駆使して神殿4つまではなんとかハート4つでクリア。
その後どうしても体力を増やす必要があったため、最低限の10個に増やし、以降そのまま最後までプレイしました。
やはり体力を増やした後は甘えが出てしまい、なんとなくゴリ押ししてしまったなという場面が増えました…
これまで低レベルクリアなどの縛りにはあまり興味がなかったのですが、今後また何かゲームをするときにやってみても良いかもなと思っています。

初見で驚いた要素

トーレルーフは発売前のムービーで知っていたのですが、壁抜けを機能として実装?!とびっくりしました。
壁抜けだけでなく、移動先に何かあるかまで判定してとなると実装がめちゃくちゃ大変そう…
プレイ中は移動手段としてかなり重宝しました。
他に、地底の存在は始めるまで全く知らなかったので、マップ3倍?!と本当に驚きました。
入ってみると中はほぼ真っ暗。最初は結構怖かったです。
せっかくマップ3倍だから地底のマップもクリア前に埋めたいな〜と思い進めていたのですが、案外大変でした…
基本的に破魔の根は地上の祠と同じ場所にあるのですが、地底側の地形が複雑で行き方が分からなかったり、そもそも祠も破魔の根も見落としていたりと道のりはなかなか険しいものでした。
クリアまでのストーリーがひと段落し、あとはラスボス戦のみというところで集中的に地底を探索し、無事地底マップをコンプリートしました。達成感…!

音楽

BotWから比べると管楽器が増えたな〜という印象を受けました。
前作が結構リンク一人だったのに対してTotKは一人じゃない、みんないるよ!というのが押し出されていたように思います。
各神殿で賢者と共闘したり、討伐隊と一緒に魔物と戦ったりと、皆で力を合わせるというのが印象的でした。
開発者インタビューでも「手と手」がテーマになっていると触れられていたと記憶しています。
その一方で魔物も統率が取れるようになっていたり、共生が進んでいます(例: ボスボコブリン、イエロック)。 その辺りが音楽にも乗っているのかなと思いました。

魔物

BotWから比較して気持ち悪さが増した…?と個人的に思いました。
ライクライクやギブドは最初に遭遇した時びっくりしました。BotWの続編だからそこまで不気味なのは出てこないかなと油断していました…
また、おそらく体力縛りしていたからだと思いますが、その辺にいるボスが強い…
イワロックこんなに強かったっけ?と思いながら何度かやられました。
ライネルとグリオークは結局倒せずじまいでした。

白龍について

白龍は序盤に見かけていて、図鑑で「どこか懐かしい気持ちになる」とあったのでうっすらゼルダかな〜と思いつつそうであって欲しくない気持ちでいました。
龍になった者は人に戻れないというのを知ってそれがほぼ確信に変わり、ゼルダは元に戻れるのかという不安を抱えながら進めました。
ゼルダが龍になるシーンは言葉が出ませんでした。ここでゼルダの子守唄がかかるなんて…
その後マスターソードを受け取り、ゼルダ(白龍)を見つけたのに人間に戻らず…
もしかしてゼルダは白龍のままになってしまうのでは…? ゼルダが龍になったのはガノンドロフとは直接関係ないし、ガノンドロフを倒しても元に戻らないのでは…?と不安が増していきました。

ラスボス〜エンディング

ガノンドロフとの一騎打ちはテンション上がりましたね〜
相手もジャスト回避してくるのはびっくりしました…ラッシュされるかと思った…
賢者たちが助けに来てくれるのもアツい!
第2形態で無言で挑発してくる感じも燃えました。
ガノンドロフはやはり強く、何度もやられましたが途中でジャストガードを思い出して覚醒、倒しました。
と思いきや秘石を飲んで龍の姿に…なんで知ってるんだ…?
黒龍戦。空中戦?!と思っていたら白龍が来てくれました。ゼルダと共闘は感動してしまいました。まだ倒してないのに。
黒龍なんとなく見覚えがあるなと思っていたのですが、BotWでハイラル城にまとわりついてた怨念と似ていました。伏線だったのかな…そうだとしたらすごい…
白龍と協力し黒龍を撃破。
ゼルダも人間の姿に戻りました。物語の最初では手を取れなかったけど最後でしっかり手を取れて良かった…

まとめ

冒頭にも書きましたが、本当にいいゲームでした…
新しい能力やさらに広がったフィールドはもちろん、ストーリーも重厚でとても好きな作品になりました。
タイトルにTears=涙が入っていて、龍の泪のことだとは思うのですが、プレイヤーの泪も誘うということなのかな…と思いました。
正直今までは「ゼルダの伝説」ってなぜ「ゼルダの」伝説なんだろう?と思っていたのですが、今作はなるほどゼルダの伝説でした。
他にも賢者とかコログ運びとかギミックとか、それぞれに対して感想はあるのですが、どうにもまとまりそうにないのでこの辺りにしておきます。
チャレンジや祠、コログなどまだまだやり込み要素が残っているので、気が向いたらまたハイラルに行こうと思います。

The Longingを始めました。

The Longingというゲームを始めました。
クリアするには現実の時間で400日経過する必要があるとのこと…!
以前どこかで見かけてその酔狂なコンセプトが気になっていたのですが、昨日Switchで配信されたので購入しました。
プレイ日記を書くのも面白そうだなと思い、書いてみることにしました。
こちらで書くと過去の感想が埋もれていってしまうので、日記に向いていそうなnoteで書いていきます。

note.com

OMORI 感想(乗り越える)

はじめに

OMORIをクリアしました。
クリア直後は疲れ果てて考えがまとまらなかったのですが、落ち着いてきたのでちゃんと感想を書きます。
途中からネタバレを含むのでご注意ください。

ネタバレなし感想

怖くて内容もかなり重ためのゲームです。軽率におすすめはできない。
ただ、OMORIでしかできない体験があると思います。
そういう意味で私は良いゲームだと思っています。

ホラー要素

確かにホラー要素はあるのですが、びっくりさせてくる感じではなかったです。
なんというか、昔のウェブサイトでたまにあった怖いフラッシュとかポップアップとかに近い怖さでした。
私はホラー苦手なのですが、クリアできました。

音楽

音楽にかなり力が入っています。
標準的な遊び方をすると20~30時間程度でエンディングですが、それに対してサウンドトラックがCD3枚分あります。
曲調もいかにもゲームというピコピコ系からおしゃれな感じの音楽、シンプルなピアノサウンドまでさまざまです。
私はタイトルの音楽が好きです。

キャラクター

主人公のオモリ、お友達のオーブリー、ケル、ヒロ、バジル。
行く先々でピクニックで助けてくれる姉のマリ。
モグラという謎生物。失恋した宇宙海賊の船長などなど。
敵味方、モブキャラでさえも魅力的です。
私はとりわけケルが好きです。めちゃくちゃ光。

戦闘システム

基本的にはターン制バトルなのですが、「感情」と「やる気」が鍵になります。
「感情」は「にこにこ」「いらいら」「しょんぼり」の三すくみになっていて、お友達や敵を感情状態にすることによってバトルを有利に進めることができます。
逆に感情状態を使いこなす敵もいて、こちらが不利になることも。
「やる気」はパーティ単位でのパラメータで、敵から攻撃を受けることでたまっていきます。
たまった「やる気」を使ってお友達と連携し、回復しつつ攻撃したり、最大までためて全員で強力な攻撃を繰り出したりできます。
私は下記のような戦法を取ることが多かったです。

オモリ: しょんぼりにして火力
オーブリー: いらいらにして火力
ケル: アイテムで感情状態にしたり回復したり、全体攻撃したりヒロにパスしたり
ヒロ: ヒーラー

ケルとヒロはもっと活躍させてあげたかったな〜

ストーリー(ネタバレあり感想)

ここからストーリーについて触れていきます。
ネタバレを含みますので、ここまで読んで遊んでみたくなった方は今すぐブラウザバックしてください!

続きを読む

EASTWARD 感想(素敵な2人組)

はじめに

EASTWARDをクリアしました。感情が行き場をなくしている…
細やかで綺麗なドット絵のゲームなのですが、その見た目とは裏腹に骨太アクションかつ影のある世界観でした。
途中からネタバレを含みますので、ご注意ください。

全体的な雰囲気(ネタバレなし)

第一印象

MOTHER、ゼルダの伝説ドラクエ聖剣伝説辺りに影響を受けていそうだな〜というのが第一印象でした。
特に私はMOTHER好きなので、しゃべる冷蔵庫やメイン武器がフライパンなところにMOTHERっぽさを感じて嬉しくなりました。
ストーリーは全部説明があるわけではないので、物足りなさを感じる人もいるかもしれませんが、私は想像の余地があって好きです。

魅力的な登場人物

この作品は登場人物が多いな〜と感じました。
ジョンと珊、アルヴァとイザベル、ウィリアムとダニエルなど主要人物はもちろん、街の住人もたくさんいます。
果ては冷蔵庫までしゃべります。
したがって台詞が多く、何度も話しかけたくなります。
他にも実績システムやゲーム内ゲームもあるのでやり込み要素が多く、色々してたらストーリーがなかなか進まなくなってしまいます…笑
また主要登場人物はそれぞれ秘密や事情を抱えており、それがEASTWARDの世界観に厚みを持たせているのかな〜と思いました。
そういえば主要人物は大体2人組で登場していますね。意図的にそうなっているのかな?

システムなど

些細なことかもしれませんが、コントローラーの振動で感動しました。
ゲーム内で電車に乗ることが多いのですが、電車の「タタンタタン…タタンタタン…」に合わせてコントローラーが振動して思わずおお…!と声が出ました。
音楽も8bit風で絵にマッチしていて素敵です。街やフィールドの音楽も朗らかな感じで好きですが、バトルとか緊急時の音楽がうねっている感じで特に好みです。
また、作品内で料理ができます。
主人公のジョンは料理が上手な設定なのですが、料理する時の演出が食材をそのままぶちこんでいる感じなので笑ってしまいました…笑
それ大丈夫なの?!生じゃない?!とつっこみたくなります…出来上がりはちゃんとした料理になるのですが…笑
そんな料理でもバフをかけられるので、後半はかなりありがたかったです。

ネタバレあり感想

メモ等取らずに進めてしまったため、うろ覚えの部分がありますがご容赦ください。
※ここからネタバレを含みますので、ご注意ください。

続きを読む

ゼルダの伝説 スカイウォードソードHD 感想(はじまり)

はじめに

ゼルダの伝説 スカイウォードソードHD』をクリアしました。
発売して割とすぐ始めたのですが諸々の事情によりクリアまで半年以上かかりました。
ネタバレを含みますので、ご注意ください。

ゼルダとリンク

ゼルダとリンクが幼馴染というのが新鮮でした。
個人的にはリンクを突き落とす寸前のぴょこぴょこしてるゼルダが可愛くて好きです。
そんなゼルダスカイロフトから落ちるので探しに行きます。
その先でゼルダは女神ハイリアの生まれ変わりであることを知ります。
女神の生まれ変わりであるゼルダは世界を滅ぼす魔族の王を封印するため眠りにつきます。
ここで私はオープニングでゼルダに起こされる場面を思い出し、ゼルダを起こさなきゃ…!と決意を新たにしました。
ブレスオブザワイルド(以下BotW)でも冒頭ゼルダの声に起こされます。この辺りのオマージュなのでしょうか。

さまざまな試練

プレイする中でさまざまな試練が立ちはだかりました。
中でもサイレンが一番大変でした…
時間制限あり、かつ何かに追いかけられるのは個人的に苦手なゲームシチュエーションなので、毎回入るまでに時間を要しました。
クリア後は毎回Joy-Conが手汗でびしゃびしゃに…
何回も心が折れそうになり、クリア済みの友人に代行してもらうことも頭を掠めたのですが、今となっては自力でやってよかったなと思います。
他にもゲーム外の要素で個人的な試練がありました。
まず画面酔い。カメラ速度を遅くしても酔ってしまい、遊ぶのは1回に30分程度、長くても1時間ほどが限界でした。
特にラネール錬石場がきつかった…
そしてJoy-Conの故障。Switch自体買ってから結構長いので、Joy-Conも不調になり始めていました。
Joy-Conスカイウォードソードを始める前に修理に出したのですが、右Joy-Conも不調に。
騙し騙し使っていたのですが、砂漠の船にたどり着いたあたりでスティックが言うことを聞かなくなりました。
修理に出し、2週間後くらいに無事再開。もっと早く修理に出してもよかったな…

ラストバトル〜エンディング

「終焉の者」がゼルダ史最初と言われている物語のラスボスってところがとても良いですね…!
ガノンドロフっぽいけどそうではないんですね。ガノンに続いていくのでしょうか…
それはそうとギラヒムも剣の精霊でした。
ということは魔族側にもマスターソード的な剣があるんでしょうか。
ラスボスが1対1なの熱くて良かったです…!
リトライすること5回、回数を重ねるごとに上手く盾で攻撃を弾けるようになりました。
とどめを刺した後、絶対第2形態あると思って身構えていたらエンディングへ。
倒した後の終焉の者のセリフがなかなか意味深で、ここで女神と人間に呪いをかけたとも思えるような言葉でした。
終焉の者を倒した後、ファイはマスターソードで眠りにつきます。
BotWでマスターソードが彼女って言われてたのはファイのことだったのか!?と繋がりました。
剣が眠る封印の神殿は迷いの森になりそうな気もしますし、時の神殿になりそうでもあります。
エンディングでゼルダとリンクは大地に残りました。
二人で後のハイラルを作ったのでしょうか。
BotWでゼルダは王家、リンクは近衛の家系とあったので何か関連があるのかなと思ったりしました。

その他一言感想箇条書き

他にも色々感想や気になったことがあるのですが、なかなかまとめにくいところもあるので、箇条書きにしてみます。

操作について

Joy-Conでのアクションは難しかったのですが、直感的で楽しかったです。
攻撃がヒットした時もSEが鳴るのでJoy-Conで遊んでほしい感が伝わってきました。
どうやら私はJoy-Con大袈裟に振りがちなようで、腕が痛くなることがしばしばありました…

大空へ

鳥に乗って空を飛ぶのはとても気持ちよかったです。
他のゼルダ作品で見られるワープ機能がないので、空を飛んでほしいんだなというのが伝わってきました。

他に気になったこと

  • ゼルダの話とゴロンの話を照らし合わせると、空側では大地の存在が、大地側では空の上の国の存在が伝説になっているのが面白い
  • 時空石の感じとかBotWの祠と似てるな〜
  • 最初の物語というのは納得
    • 大地の地域は名前ついてない
    • ゾーラ族もリト族もいない
    • ゴロン族はいる 結構古い種族?
  • リンクの表情が豊かでいい!
  • ところでリンクの両親は?他の生徒は親いるが…
  • スズハかわいい〜
    • がんばれよ!が見たくて用がなくても占ってもらってた
    • 最後のサイレンの後本当に分からなくてスズハに聞きに行ったら直球のヒントくれて笑っちゃった…ありがとう…
  • 老婆の帽子?上着の頭部分?、バドの髪型と同じだ!バドリスペクト?

まとめ

ゼルダシリーズはクリア後の感じ(本で言うと読後)が良いな…
他作品、(主にBotWになってしまいましたが)と繋がりがありそうだったり、ギラヒムの件など作中でも明確に語られないことがあったりと想像を掻き立てられて楽しかったです。
これでプレイしたゼルダ作品は4作目になりました。
ゼルダ作品を遊ぶとしたら、かなり重要そうなのに未プレイの時のオカリナを遊んでみようかなと思っています。

FINAL FANTASY X 感想(葛藤と死)

この記事について

noteに書いていたものを移行した記事です。
元記事はいつか削除します。
元記事: https://note.com/mkichi/n/n4c2034074bde
投稿日時: 2020/09/10 22:56
以下から本文が始まります。

はじめに

FINAL FANTASY X Remaster をクリアしました。
めちゃくちゃよかったのですが、このやるせない気持ちをどうしたらいいんだ…
途中からネタバレを含みますので、ご注意ください。

大まかなあらすじ

主人公ティーダは大都市ザナルカンドでブリッツボールの選手として活躍しています。
ある試合の日、巨大な何か(=シン)がザナルカンドを襲い、ティーダはスピラという全く知らない場所、しかも1000年後の未来に飛ばされてしまいます。
スピラでも「シン」は猛威を振るい、人々の安寧を脅かしています。
ティーダ「シン」を倒すことを目指す召喚士ユウナたちと出会い、「シン」打倒の手段があり、かつ自分の故郷でもあるザナルカンドへ向かう旅に加わることになりました。

予感

オープニングから「このゲーム…かなりつらいゲームなのでは…」という予感がしました。
廃墟のようなところで皆集まってるけど葬式みたいな雰囲気。
ティーダの「最後かもしれないだろ?」という台詞。
物悲しげな音楽。
この時点でがっちり心を掴まれました。
本編に入ると、時折ティーダのモノローグが入ります。
その語りが回想形式で、これもまたつらくなりそうな予感を煽ってきます。
更に、ティーダが全ての元凶である「シン」を倒した後のことを口にすると、重たい沈黙が流れます。
嫌な予感を抱えたまま、旅を続けました。
この先ネタバレを含みますので、ご注意ください。

葛藤

このゲームは本当に葛藤がやばいです。
前述のように平和をもたらすために「シン」を倒さないといけないのですが、「シン」を倒す「究極召喚」を発動すると、ユウナが命を落とします。
しかもシンは(ティーダから見て)10年前に死んだと思われていた主人公の父親、ジェクト。
その上「シン」は倒しても数年後に復活し、再びスピラを脅かします。
そしてまた別の召喚士が犠牲となり「シン」を倒す…というループが繰り返されます。
この事実をティーダ以外のパーティーメンバーは知っており、それを知りながらも旅を続けます。
私はこの事実だけで結構お腹いっぱいです…まさかこのまま究極召喚でユウナが死に、短いナギ節をもたらして終わりとかじゃないよね…?人間は無力ENDじゃないよね…?とかなり不安に思いながら進めていました。
ザナルカンドに到着した一行は「シン」を最初に倒したと伝えられている勇士、ユウナレスカと出会います。
彼女は「究極召喚」を授けてくれるそうですが、それを得るにはユウナだけでなくもう一人犠牲が必要だということを聞かされます。
さらにユウナレスカは「究極召喚」で「シン」を倒しても必ず復活する、人間の罪が消えれば「シン」も消えるとエボンでは教えているが、人間の罪が消えることなどあるだろうか?とエボンの教えを否定するようなことを口にします。
エボンの教えは希望で、その希望があったから悲しい定めも受け入れられる、と続けます。
「まやかしの希望なんていらない」とユウナは反論し、ユウナレスカと戦うことになります。
アーロンはここまで知った上で旅に加わってきたようです。ここまで来ないと何も変えられないと思ったのでしょう。ティーダたちに言います。

さあ 今こそ決断の時だ
死んで楽になるか 生きて悲しみと戦うか
自分の思うままに物語を動かす時だ

ユウナレスカを倒し、究極召喚は失われました。
その後、誰も死なず、「シン」も復活しない方法がある可能性を見出します。
皆はユウナの手前口にするのが憚られた「シン」を倒した後のことについて話し始めます。
しかし、ティーダ「シン」を倒すと消える可能性が出てきました。
「シン」は在りし日のザナルカンドを召喚しており、ティーダもそこに含まれている、つまり 「シン」が消えるとティーダも消える、というわけです…
今度は自分が消えてしまう可能性が出てくるとは…なんてことだ…
ユウナが「君のザナルカンドはきっとどこかにあるよ」と何度か言ってくれましたが、どこにもないんですよね…
ユウナ以外の仲間はそれについて知らず、「シン」を倒すぞ〜となっているのがまたやりきれない…
ルールーに至っては、

あんた……
「シン」を倒してもユウナのそばにいてあげてね

と言葉をかけてきます。
プレイヤーである私は情緒がめちゃくちゃになりましたが、ティーダは特に返事することもなく、自分が消える可能性についても伝えませんでした。
ティーダはギリギリまで自分が消えることを隠し、最後の戦いのあとに去っていきました…

通奏低音としての「死」

FFXの世界では、常に死がつきまとってきます。
召喚士の役割はスピラに死と破壊をもたらす「シン」を倒すことですが、亡くなった人をあの世(異界)に送るという役目もあります。
スピラでは亡くなった人は異界へ送られることになっているのですが、グアドサラムからその異界へ行くこともできます。
エボンを信仰している人は亡くなった人は異界へ行って、残された人が異界へいくと話すこともできると思っているのですが、違う民族であるアルベド族は「それは幻光虫が見せる幻だ」と思っているそうです。
また、エボンを信仰している人は「シン」を倒すのに召喚士が犠牲になるのはしょうがないと思っている節がありそうですが、アルベド族は「それはおかしい、変わるべきだ」という考えを持っているようです。
この辺りの考え方の違いだったり、死生観の描かれ方がすごいな〜と思いました。
「死」は物語中に散りばめられていて、ティーダの父親、ユウナの父親はすでに亡くなっていますし、仲間のアーロンは死人(しびと)です。
果てはエボンの最高指導者も死人でした。
どうやらシーモア、ユウナレスカ含むエボン側の人間は、死を甘い希望として捉えているようでした。
彼らは死によって悲しみから解放される、死は救いであるということをティーダたちに説いてきました。
悲しみそのものを解消するのではなくある意味で逃げるのがエボンでした。
ここまで「死」がべったりまとわりついてくるゲームは他にあったでしょうか…
RPGは登場人物の死が描かれることはありますが、死そのもの、死生観、死んだあとのことについて描かれることはあまりないような気がします。
私はFFXの他にここまで「死」を描く作品を知りません…

まとめ

ストーリー全体の葛藤と「死」について主に書きました。
葛藤についてはパーティメンバーそれぞれも抱えており、それもまた人物像に深みを与えています。
パーティメンバーだけでなく、旅先で出会う人々や、かつて生きていた人々もも抱えているものがあることが伺えます。
ストーリーの深さがものすごく、クリア後はドッと疲れてしまいました…
それでもなお、もう一度遊びたい、できれば記憶を消して…と思うほどに好きな作品になりました。
FFX-2もあるのですが、しばらくは「ザナルカンドにて」を聴きながら余韻に浸ろうと思います。

FINAL FANTASY Ⅷ 感想

この記事について

noteに書いていたものを移行した記事です。
元記事はいつか削除します。
元記事: https://note.com/mkichi/n/n70b7ca0e0e73
元記事投稿日時: 2020/07/23 16:14
以下から本文が始まります。

はじめに

FFⅧクリアしました。
ずっとプレイしたかったのですが、ハードを持っておらず、昨年リマスターがSwitchで出たので意気揚々として購入しました。
FFといえばクリスタルとか召喚獣といったファンタジーのイメージだったので、本作はSF感が強く、新鮮でした。
ここから感想を綴っていきます。あまりネタバレはありませんが、物語の結末に関するネタバレが含まれますので、ご注意ください。

システムについて

MPという概念がなく、装備も武器のみのシステムが新鮮でした。
MPがないので魔法は敵から奪うor魔法があるポイントで入手するのですが、レアな魔法はなかなか使うことができず、最後まで使えずじまいだったりしました…
宝箱もないので探索も結構サクサク…かと思いきや、私が3Dマップに慣れていないために前半はかなり迷ったりしました。デリングシティの下水道かなり迷った…
また、敵を倒してもお金が手に入りません。
主人公たちは傭兵部隊に所属しており、そのランクに応じて定期的にお給料が振り込まれる仕組み。
私はずっと2〜3を行き来しており、最高でも4に一瞬なったくらいでした。
おそらくかなりレベルの低い傭兵だったので、金銭面は若干苦労しました。
だいぶ後半になってから知ったのがパーティのレベルに応じて敵も強くなることです。
私の場合なぜかスコールだけ突出してレベルが上がってしまったので、他のメンバーが戦闘不能になりやすかった気がします。
最終的にスコールはレベル90、他のメンバーは40後半だったのですが、普通にプレイするとこんな感じなんでしょうか…

語られない物語

FFⅧは「明言されない」ことが多かったように思います。
アーヴァインがイデアを撃てなかった理由。
スコールの両親について。
G.F.が結局何なのか。などなど。
公式設定はあるのかもしれませんが、ゲーム本編の中で語られることはなく、その前後の出来事や人々の言葉から推測することで繋がることが多かったです。
その最たるものがラスボス、アルティミシアの正体についてかなと。
アルティミシア=リノアであることを仄めかす要素はあるものの明言はされません。
でももしアルティミシアがリノアだったら、スコールはリノアを救うためにアルティミシアを倒しにいったのにもかかわらず、結局彼女を殺してしまったことになります…
リノアは魔女になった時「殺されるならスコールがいい」ということを言っていたので、これもまた一つの救いなんでしょうか…
語られない部分があるからこそ想像力が掻き立てられ、クリアしてからも色々考えてしまいました。

その他一言感想箇条書き

他にも色々思うところはあるのですが、なかなかまとまらないので箇条書きにしてみます。
・スコール、前半はかなりなんだこいつ感あったけどだんだん心を開いていってよい、モノローグがすごい多い
・セルフィのスロットで出る魔法 「ジエンド」と「レビテガ」ってセルフィオリジナル…?
サイファー、エンディングでめちゃくちゃ穏やかな笑みを浮かべてて笑っちゃった
・時間圧縮始まった直後の始まりの部屋でセーブポイントが増える→FFでこういうメタ的な演出されると思わなかったからびっくりした…急にこういうことするのやめてほしい(褒めてる)
・取りこぼしがいっぱいあるので悔しい
G.F.とかライブのイベントもなんかもっとできたっぽい
・結構初見殺しが多い…ソロモンの指輪とか絶対気づかない…
モーグリ出てこなかったな〜 → G.F.であるらしい…

まとめ

最初にネタバレに関する注意書きを記載しましたが、アルティミシアの正体についての仮説を知った上でプレイするのもまた一興かなと思いました。
他の語られなかった部分についても気付けなかった伏線がありそうなので、一度クリアして結末を知った上でもう一度プレイすると新たな発見がありそうです。
色々とりこぼしもあるので、いつかもう一度遊びたい作品です。