沼のほとりから

色々な沼から。ドメイン変更しました。

EASTWARD 感想(素敵な2人組)

はじめに

EASTWARDをクリアしました。感情が行き場をなくしている…
細やかで綺麗なドット絵のゲームなのですが、その見た目とは裏腹に骨太アクションかつ影のある世界観でした。
途中からネタバレを含みますので、ご注意ください。

全体的な雰囲気(ネタバレなし)

第一印象

MOTHER、ゼルダの伝説ドラクエ聖剣伝説辺りに影響を受けていそうだな〜というのが第一印象でした。
特に私はMOTHER好きなので、しゃべる冷蔵庫やメイン武器がフライパンなところにMOTHERっぽさを感じて嬉しくなりました。
ストーリーは全部説明があるわけではないので、物足りなさを感じる人もいるかもしれませんが、私は想像の余地があって好きです。

魅力的な登場人物

この作品は登場人物が多いな〜と感じました。
ジョンと珊、アルヴァとイザベル、ウィリアムとダニエルなど主要人物はもちろん、街の住人もたくさんいます。
果ては冷蔵庫までしゃべります。
したがって台詞が多く、何度も話しかけたくなります。
他にも実績システムやゲーム内ゲームもあるのでやり込み要素が多く、色々してたらストーリーがなかなか進まなくなってしまいます…笑
また主要登場人物はそれぞれ秘密や事情を抱えており、それがEASTWARDの世界観に厚みを持たせているのかな〜と思いました。
そういえば主要人物は大体2人組で登場していますね。意図的にそうなっているのかな?

システムなど

些細なことかもしれませんが、コントローラーの振動で感動しました。
ゲーム内で電車に乗ることが多いのですが、電車の「タタンタタン…タタンタタン…」に合わせてコントローラーが振動して思わずおお…!と声が出ました。
音楽も8bit風で絵にマッチしていて素敵です。街やフィールドの音楽も朗らかな感じで好きですが、バトルとか緊急時の音楽がうねっている感じで特に好みです。
また、作品内で料理ができます。
主人公のジョンは料理が上手な設定なのですが、料理する時の演出が食材をそのままぶちこんでいる感じなので笑ってしまいました…笑
それ大丈夫なの?!生じゃない?!とつっこみたくなります…出来上がりはちゃんとした料理になるのですが…笑
そんな料理でもバフをかけられるので、後半はかなりありがたかったです。

ネタバレあり感想

メモ等取らずに進めてしまったため、うろ覚えの部分がありますがご容赦ください。
※ここからネタバレを含みますので、ご注意ください。

「未来」に着いてから

「未来」に到着してからは特に印象に残るシーンが多かったです。
ある1日をループしてしまうシーン。
ソロモンのロボット、フロイドに感情制御チップを貰うシーン。
永遠の塔に登って時間磁場を解除したあと船長たちと話すシーン。
カロン」に乗ってからの出来事…
「未来」に着いてからは一気に進めてしまいました。
そういえば「未来」は不老不死の都市と言われていた記憶があるのですが、時間磁場によって「死を蒔くカロンが『未来』に着く前日」をループさせているからなんですね。書きながら気づきました。
「明日はカロンが来る!祝祭だ!」みたいなことを言っていた住人もいましたね…確かにマザーやソロモン側にとっては祝祭なのでしょうが、住人はタタリに呑まれるんだよな…
そう考えるとグリーンバーグのユヴァや他の住人も「明日は収穫祭よ」というようなことを言ってましたね…
マザーやソロモンに洗脳されているのか、はたまたもし彼らが「人間工場」で作られた人間なのだとしたら、そう考えるようにプログラムされているんでしょうか…
結局タタリ、カロン、マザーは高度な人類を作るためのマッチポンプだったのでしょうか…

ウィリアムとダニエル

ポットクロックでは父親が地上に行ったきり帰ってこない子供、ダニエルが登場します。
そしてポットクロックを出た後、ダニエルと同じ髪色のウィリアムとロボットの子供、ダニエルと出会います。
ウィリアムはポットクロックのダニエルの父親でした。
鋭い人はここで気付いたんでしょうね…
私は「未来」に行くためにアイアンカービン号に同乗するあたりでやっと気付いて「え?!ポットクロックのあの子の父親か!!」と驚きました…気づくの遅い…
本物の永遠の塔を抜けた後、ダニエルが攻撃を受け止めて壊れるシーンはショックでした…
なんかこう、やっと2人の間にあるわだかまりのようなものが溶けていた気がしたので…
エンディングではロボットのダニエルは頭部だけになっているものの、ポットクロックのダニエルも含め3人で一緒に暮らしているようなのでこの3人に関してはハッピーエンドかな?

イザベルとアルヴァ

イザベルと再会した時はまさか戦うとは思ってなかったので、心底驚きました…
共闘はあるかも?と思っていたのですが、まさか相対するとは…
終盤だけあってイザベル強かったですね…!
アクションもかっこよくてこれはアツい…!と思いながら戦いました。
戦闘中は気にする余裕がなかったのですが、イザベル戦の音楽って結構淡々としているんですね…かっこいい…
イザベルに「前に戦ったときよりも強い」と言われるのですが、戦ってないような…
何回かリトライする前提なのでしょうか?
そういえばイザベルがマザーに唆されて珊を殺そうとしていると思われるシーンがありました。こいつのせいでって言ってたような…
その時は何か誤解されている?!と思ったのですが、この辺りの発言からイザベルは未来から来たのかな?と思ったりしています。
アルヴァのクローンも謎でした…
ダム城の攻防戦の時にアルヴァは瀕死になり、イザベルがどうにかしようと未来に来たけど息絶えてしまって、人間工場でアルヴァのクローンを作ろうとしたのでしょうか。
もしくはこの世界の人間が「人間工場」で作られているんだとしたらアルヴァのスペアということなのでしょうか。
いずれにしてもあのアルヴァはもういないんですね…
戦いの後アルヴァが現れて、イザベルを抱きしめるシーンでは心を揺さぶられました…

ジョンと珊

いいコンビでしたね!
アクションにおける役割分担も、2人の関係性も含めて良いコンビでした。
2人別々で操作する時、珊がジョンと離れると寂しそうな顔するのがよいですね。
序盤、ジョンは奔放な珊にちょっと振り回されている感じなのかな?と思っていたのですが、以降のストーリーでジョンも珊を大切にしていることがよく分かりました。
特にカロンに珊が攫われたとき、普段あまり感情を表に出さないジョンが走っていくシーンはグッときました。
ラスボス戦で珊がジョンのフライパンに宿って、ジョンが珊の力を使えるようになるところもコンビの究極体な感じがして良かったです。
ただ、珊は消えてしまうんですね…
最後ジョンは珊を抱き止めて悲しそうにしていた一方、珊はまた会えるからお別れはしない、私がここにいることはジョンは分かっていると言って去っていきます…
珊の言葉通り、エンディングで別の形ではあるものの2人は再会できました。
珊はジョンのことを覚えていないようですが、ジョンは嬉しかっただろうな…

その他気になることなど

ソロモン

ウキウッドで戦う時、ダム城で出会った時より大人になってるな?と思ったのですが霧の中は時間の流れが違うからなんですね。
そうすると「未来」はダム城の数十年後なんですね…
ソロモンも高等な人類を作る側の人間だったようですが、あまり背景などが分からなかったです…
彼が諸悪の根源というわけでもない気もしますし…
そもそもこの物語は「元凶」とか「諸悪の根源」がないような気もします…

大地の子

結局1回しかクリアできませんでした。しかもバッドエンドっぽかったです…
メインストーリーともリンクしていましたね。
全部は追いきれていないので、クリア後のおまけでやってみようかな。

個人的にきつかったところ

序盤はまだアクションに慣れず、最初のナメクジ退治で3回くらいゲームオーバーになりました…笑
若干不安を抱えつつも進めていくと慣れてきて、武器の種類も増えてあまり倒れることもなくなりました。
ただ、ステルス苦手なのでウキウッドがきつかったです…
仕掛けを解きながらステルスは大変だったな…

まとめ

「面白そうなインディーゲームだ!やってみよ〜」くらいの気軽な気持ちで始めたのですが、沼に引き摺り込まれてしまいました…
特にイザベルに持っていかれました…もっと掘り下げが欲しい…
ストーリーも1回プレイしただけだと分からない部分も多かったです。
クリア後はチャプターを選んでプレイできるようなので、気になるところもう一度やってみるのもありですね。