沼のほとりから

色々な沼から。ドメイン変更しました。

OMORI 感想(乗り越える)

はじめに

OMORIをクリアしました。
クリア直後は疲れ果てて考えがまとまらなかったのですが、落ち着いてきたのでちゃんと感想を書きます。
途中からネタバレを含むのでご注意ください。

ネタバレなし感想

怖くて内容もかなり重ためのゲームです。軽率におすすめはできない。
ただ、OMORIでしかできない体験があると思います。
そういう意味で私は良いゲームだと思っています。

ホラー要素

確かにホラー要素はあるのですが、びっくりさせてくる感じではなかったです。
なんというか、昔のウェブサイトでたまにあった怖いフラッシュとかポップアップとかに近い怖さでした。
私はホラー苦手なのですが、クリアできました。

音楽

音楽にかなり力が入っています。
標準的な遊び方をすると20~30時間程度でエンディングですが、それに対してサウンドトラックがCD3枚分あります。
曲調もいかにもゲームというピコピコ系からおしゃれな感じの音楽、シンプルなピアノサウンドまでさまざまです。
私はタイトルの音楽が好きです。

キャラクター

主人公のオモリ、お友達のオーブリー、ケル、ヒロ、バジル。
行く先々でピクニックで助けてくれる姉のマリ。
モグラという謎生物。失恋した宇宙海賊の船長などなど。
敵味方、モブキャラでさえも魅力的です。
私はとりわけケルが好きです。めちゃくちゃ光。

戦闘システム

基本的にはターン制バトルなのですが、「感情」と「やる気」が鍵になります。
「感情」は「にこにこ」「いらいら」「しょんぼり」の三すくみになっていて、お友達や敵を感情状態にすることによってバトルを有利に進めることができます。
逆に感情状態を使いこなす敵もいて、こちらが不利になることも。
「やる気」はパーティ単位でのパラメータで、敵から攻撃を受けることでたまっていきます。
たまった「やる気」を使ってお友達と連携し、回復しつつ攻撃したり、最大までためて全員で強力な攻撃を繰り出したりできます。
私は下記のような戦法を取ることが多かったです。

オモリ: しょんぼりにして火力
オーブリー: いらいらにして火力
ケル: アイテムで感情状態にしたり回復したり、全体攻撃したりヒロにパスしたり
ヒロ: ヒーラー

ケルとヒロはもっと活躍させてあげたかったな〜

ストーリー(ネタバレあり感想)

ここからストーリーについて触れていきます。
ネタバレを含みますので、ここまで読んで遊んでみたくなった方は今すぐブラウザバックしてください!

序盤でマリが既に故人になっているということを知ったときはシンプルに姉の死を乗り越えられていないのかなと思いました。
ヘッドスペースでの冒険も基本的に「友情・努力・勝利」的な印象だったので、お友達と一緒に過去の辛い出来事を乗り越えていくのかなと思っていました。
ヘッドスペースでもハルバル町でもお友達は基本的に優しく(オーブリーも!)、彼らの優しさがあったからクリアできたといっても過言ではありません。
ただバジルだけハルバル町での様子がおかしい。何か知っている…?
もしかしてサニーがマリを手にかけた…?装備品もナイフだし…
それともバジルがマリを手にかけた…?
もしかしてマリではなく実はサニーがもうこの世にいない…?
私はマイナス思考なので、悪い方へ悪い方へ考えてしまいました。
ただああいった形とは全く思いもよらなかったです。
サニーとバジルが共犯で、しかもお友達はその事実を知らない。
衝撃を受けつつもパズルのピースがはまったような納得感もありました。
サニーが引きこもっていたのは悲しみというよりは罪悪感からだったのかなとか、ハルバル町でのバジルの様子がおかしかったのもそういう背景があったからだったんだなとか。
もしかして過去改変展開ある?と思いましたがなかった。これはなくてよかったと思います。しっかり向き合えということ…
そしてオモリ戦。
途中で敗北し、GAME OVERに。
最終形態前だったので普段と同じゲームオーバー画面に見えたので一旦休憩しようと思い、やめようとしました。
すると画面が切り替わり、サニーが消滅。 焦って思わずリセットしてしまいました。
今考えると、ここでそのまま進めて一回別のエンディングを見ればよかったかもなと思います。
オモリと再戦。負けてもコンティニューして告白エンドに辿り着きました。
クリア直後は衝撃的すぎてマリに関する真実で頭がいっぱいになってしまいました。
ただ、色々考えたり、プレイした方の感想や考察を読んだり、サントラを聴いたりしているうちに落ち着いてきました。
ところでこの衝撃→受容のプロセスって、「告白エンドでサニーの話を聞いたお友達」の反応ではありませんか…!
確かにマリについての真実はプレイヤーにもあの時点で知らされるので、ある意味ではプレイヤーもヒロ・ケル・オーブリーと同じ立場に置かれたと言えそうです。少なくとも私はそう感じました…
逆に他のエンディングの場合は真実を隠したままになるので、オモリ/サニーとプレイヤーは共犯関係になりそうです。
2周目であえてそのエンディングを選ぶとなるとますます共犯感が増しますね。
プレイヤーはオモリ/サニーでもあり、ヒロ・ケル・オーブリーでもあり、バジルでもあるのか…やば…。

ちょっと後悔しているのが、告白エンディングを見た後に色々気になりすぎて攻略サイトや感想、考察を見てしまったことですね…。
少なくとももう一つ分岐がありそうということは分かっていたので、そこだけでも見たらよかった…。